深い眠りは痛みを緩和できたのか。『頭痛が酷すぎた②』の続きをどうぞ。
2時間半ほど眠れただろうか。
激しい頭痛はなくなったが、まだ頭全体が重く軽い痛みがある。
薄目を開けると目の前には夫の大きな背中があった。
2時間半の間、お互いに体勢を変えない状態で過ごしていたせいか腕と足に痛みを感じる。
痛みのある腕はやがて痺れだし、左膝は歩きだしたときに痛みを生じさせた。
足を引きずりながらなんとかお手洗いの便器に座った私。
その姿を見ていた夫。
私の様子を茶化すようにお手洗いの電気を消したり、のぞき込んだりして邪魔をしてきた。
普段私がすることをここぞとばかりに仕掛けてくる夫。
半開きにしたお手洗いの扉から片目だけを出し「家政婦は見た」の市原悦子のようにじーっとこちらを見ていた。
頭も足も痛い。おまけに腕はまだ痺れている状態でのくだらない仕打ちに思わず吹き出してしまった私。
夫の何気ない振る舞いが気持ちを楽にしていることにようやく気付き、肩の力が抜けた。