加速する頭痛。薬以外に直す方法はないのか・・・。『頭痛が酷すぎた①』の続きをどうぞ
事務所のソファーで横になり再び目を閉じた。その存在を大きく主張してくる脈と闘いながら帰宅する事だけを考えていたが、思うように体が起き上がらない。
暫くしたのち、帰ってきた管理者に状態を報告し帰宅。
自宅ではコロナワクチンを接種し終わった夫がゲーミングチェアに横たわり
「お帰り~」
と、出迎えてくれた。
最初は能天気な雰囲気だった夫。しかし、私の表情を見てすぐさま
「ここで寝る?」
と、ゲーミングチェアから起き上がろうとした。
エアコンと遠赤外線ヒーターがついているこの部屋。体中にまとわりつくほどの熱気は気持ちの悪さを助長した。それと同時に、眉間に寄せていたしわが更に深くなるのを感じる。
「・・・吐きそう・・・」
精一杯の返事を口にし居室ベッドにもぐりこんだ私。
(布団だ・・・。あぁ布団だ・・・。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い・・・)
帰宅後すぐに飲んだ痛み止めはまだ効果を発揮しない。しばらくの間、布団の中でうずくまり痛みが消えるのを待ったが、耐え切れず夫に電話をする。
「ホットタオルと洗面器を持ってきて・・・」
しばらくすると電子レンジで温めてきたホットタオルをお皿に乗せて持参してくれた。とてもじゃないが、すぐさま目の上には置くことができないほどの熱さを感じるそのタオル。ゆらゆらとその存在をアピールする湯気を薄目で確認しながらタオルを広げることでその熱気を分散させた。
やっとの思いで両目に置いたホットタオル。
「はあぁぁ・・・・・・・・・・・・。」
息を深く吐きながら痛みがやや軽減するのを感じていた。しかし、その心地よさも数十秒であっけなく終わった。
(ドクン ドクン ドクン ドクン)
少し和らいだ脈打ち。頭の痛さは変わらないが激しさは少し緩和されたようだ。
しばらくすると同じベッドに潜り込んできた夫。
ワクチンを接種した腕をかばいながら横になり寄り添ってくれた。
頭は痛いが気持ちは和らぐ。
頭痛を和らげるリラックス効果は私を少しずつ深い眠りへと導いてくれた。
つづく