記録的な寒波は峠を超えたのか今朝は雪が積もっていない。カーテン越しに外の様子を確認し着替えることに。
仕事には行きたくなかった。しかし、自然と仕事の用意をしている自分に関心する。「約束は守る」という律儀な性格は責任感という鎧でいつも身を固めている。
(もう少し楽に生きることができればいいのに…。)
あえてハードな道を選ぶのは性分なのか。時折自分の選択に嫌気がつく。
朝の支度が終わり夫と朝ごはんを食べる。昨夜作ったチキンカレーを美味しそうに食べる夫。CoCo壱番屋ではいつもほうれん草とチーズをトッピングするのだと言う。19歳から共に過ごしているが初耳だった。そういえば、カレーはいつも玉ねぎ、ジャガイモ、人参、肉が定番で、それぞれの具材が主張しない程度の大きさで煮込んでいた。今回はジャガイモを入れずに玉ねぎと人参はミキサーにかけルーを作り、鶏肉とほうれん草の姿だけを残してみた。その見た目が良かったのか、朝の6:30分にもかかわらずそのカレーをペロッと食べる姿が子供のようで可愛らしかった。
出勤前のパソコン作業はすっかりルーティンになりつつある。夫と2人肩を並べ記事を完成させていく。いつしか戦士と化した2人。おぼろげではあるものの共通の目標に向かって少しずつ前進している。この出勤前の約1時間をこれから先も継続して行きたいと思いつつ時計の確認も怠らない。携帯のアラームをセットし短期集中モードに入るが、あっという間に過ぎ去る時間になすすべもなくパソコンの蓋を閉じた。完成に近づく記事に後ろ髪を引かれながら、帰宅後続きを打とうと約束し出勤した。
コロナ禍による自宅待機や出勤停止は対象とならない職員にも負担を与える。重ねて今回の寒波は疲労を積み重ねる結果となった。
状況把握と判断。そして冷静に客観的に現場を俯瞰。淡々と業務をこなしながら過ぎ行く時間と戦う。デイサービスでの入浴介助は常に時計の針との戦い。職員の絶対数が足りていない状況でゆったりと関わりを持つ時間はまるでない。また、私自信が自分の体と向き合う時間も足りていなかった。午前の入浴対象者は20数名。多くはない人数が今日は多く感じる。この時点では体調に異変は無かった。入浴介助後も淡々と業務をこなし、またまた、昼食にカレーを食べる。昨夜から通算で3回食べているカレー。もはや美味しいという感情はそこには無かった。食後、椅子に深く座り腕を組み目を閉じた。両目の奥が重く痛い。次第にそこを中心に両こめかみに向かって痛みがジワジワと広がった。こめかみに軽く指をあてるだけでも脈打つ血管がわかるぐらいそのスピードは徐々に加速し強くなっていった。
(…これはあかんやつや……)
目を閉じながらじっと耐えてみる。痛み止めはもうない。耐えてはみるものの、この痛みは多分すぐ良くならない。今までの経験は思考を助けても頭痛を治す事はない。私は同僚に状態を伝え事務所で横になった。
つづく